詩誌『ササヤンカの村』第28号

 佐々木洋一氏が発行するB4判1枚を二つ折りにして中にB5判の紙1枚挟み、二段で詩を載せている全部で6ページの詩誌です。今号は、発行年月日が2018年2月と印刷されているのに、何故か、かなりのフライングで2017年の年末に届きました(私が書いている時点ではちょうど2018年2月です。)。私にとっては、前号でちょっと力を入れすぎたて読んでしまって硬い感想を書いていたので、後味が悪かったのでしたが、今回の詩誌は楽しく読めました。同じ年の内に、窮屈になった心を解き放つ爽やかな風が高地から届き、救いのような期待感を持つことができて嬉しくなりました。  ここに収められている6つの詩編は、どれも力みが感じられません。それは、読んでいる私の中で起こっているのか、それとも作者である佐々木洋一氏の中で起こっているのか、定かではありません。しかし、すっと心の中に詩の言葉が入ってきます。その瞬間に、私の中で浮遊している感覚が生じます。一瞬のことですが、その瞬間を作者と共有できてるということが、私の勝手な思い込みにせよとても嬉しくなりました。それが、前述の「救い」という言葉に繋がります。    詩誌『ササヤンカの村』では、必ず最初に短い詞書きが付きます。今回は「身の回りの生き物たちへ(人類であることのはずかしさ)」という表題を持つ、全部で200字程度の文章です。のっけから強烈な言葉で始まります。    「自然保護などというのは、人類のための自然保護であって、自然にとって     はありがた迷惑な…

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