小関俊夫『ラムの足音』
小関俊夫詩集『ラムの足音』(2025年4月、無明舎出版)について
前作の詩集『もったいない農婦』の発行から約2年。小関さんの8作目の詩集です。奥付の著者略歴をみると最初の詩集が2011年で、それからほぼ2年に1回、最近では毎年のように詩集を出し続けています。
相変わらず、人間に背を向けてぶっきらぼうに語っています。何に向かって語っているのでしょうか。ぶっきらぼうなのに、とても心が温む不思議な言葉です。確かなことは、小関さんの視線の先には、小関さんが育てている作物や、その周りに生息する植物、虫や爬虫類、鳥たち、動物が存在しているということです。そして、それらを育む自然の姿や変化にも視線は向けられています。
小関さんは視線の先にあるものに語りかけている。視線の先にあるものが小関さんの読者と言ってもよいのかもしれません。語りかける小関さんの言葉はとても温かく、決して否定をしない受け入れる包容力のある言葉なのですが、それでも小関さんの言葉をぶっきらぼうに感じるのは、人間に対する期待や希望がきっぱりと語られていないからなのだと思います。裏返せば、この詩集を読んでいる自分が今の社会に生きている人間であることを改めて意識させる言葉です。
イスラエルの
ガザ空爆を
テレビで見た
空虚をきりかえ
ジャガイモを蒔く
詩「空」全篇
小関さんが抱えている空虚がどんなものかわたしにはわかりませんが、さま…


